能面。

奈良美智 for better or worse  豊田市美術館  / ¥1,500

 

世界に散らばっている、自分が思うところの代表作をここに集めてみることにした。そこに最新作を加えて展示を構成する。 

 

名古屋まで足を延ばすのは少し億劫だったのですが、抄録のこの箇所を読んで、行こうと決めました、最終週に。 だって芸術家自身が選ぶ代表作って気になる。

 

奈良さんの初期の作品って、白黒はっきりしているイメージがあって、それこそ NO WAR ! NO BOMB ! みたいな。

 

でも、後期~最近の絵は、主張はできるだけ省かれていて、観る側に委ねられた作品になっているなあ、と思いました。(タイトルを読むと、見方を示唆してくれる作品もあるけれど。)

 

それが逆に、初期の作品よりも、畏怖してしまうような、よくわからない怖さを感じて。作品と対峙すると、女の子にじっと見つめられているようで、見透かされているようで、聖母マリアみたいな感覚?

 

描写的なことだと、女の子の目ん玉がとてもきれいで、怖くて、吸い込まれそうで、ずっとずっと観ていたかった。キャンバスが大きく迫力があったのも理由だったのかもしれない。ちょっとだけ張剛暁の大家族シリーズを思い出しました。

 

どれも好きな作品だったのですが、(特に近年!) twinsという作品が一番好きです。

 

それにしても、個人蔵の作品が多くて、いいなあ、、、って思ってしまった。

 

 

美術館のこと。

 

豊田市駅から豊田市美術館は歩いて20分弱かかったのですが、(歩くのが遅いので)

豊田市ってトヨタ以外の車も走っているのかな・・・と新幹線に乗っているときにふと思い、トヨタ車を数えながら歩いていたらすぐについた。

トヨタ以外の車もあったけれど、やっぱりトヨタが多かったです。

 

 

 

 

 

 

お天気雨。

■ サンシャワー 東南アジアの現代美術展 1980年代から現在まで

森美術館国立新美術館 二館同時開催 ¥1,800

 

一部を除いて写真撮影可能。体験型アートもあり、芸術祭のようでした。

 東南アジアに焦点を当てて、文化的政治的な側面から芸術を紹介する非常に面白い展覧会でした。

 

芸術を通して、その国の内政を知ることがとても好きなので、満足です。 

 

 

 

国立新美術館を観てから、森美術館へ行くことをお薦めします。

(私は逆から行ったけれど。)

 

 

海中では。

中村征夫 写真展「永遠の海」松屋銀座 / ¥800

 

今年の8月は、いつもより涼しい。

 

空も好きだけれど、それ以上に海の中も好きです。

海の中にいる生物は、海の中だけが彼らの世界で。

地上には、こんな世界が広がっているなんて気にしたことないんだろうなあ、って思った。

 

沖縄の写真がとてもきれいでした。特にサンゴ礁

海の中も、空と同じで場所によって色が違っていて面白かったです。

 

 

パンダと、

■ ボストン美術館の至宝展-東西の名品、珠玉のコレクション 東京都美術館 / ¥1,600

 

少し時間があったので、ふらっと東京都美術館へ行ってきました。

上野動物園でパンダが生まれたので

最近、上野中がパンダで盛り上がっていて楽しい。

 

今回の目玉作品である英一蝶の巨大涅槃図。目玉だと知らずに観たのですが、見入ってしまいました。奇妙な動物が豪快に描かれていてとても見応えがありました。

今回の里帰りに合わせて、修復作業をしたらしいのですが、その映像も観ることができました。

 

一番好きだった絵は、モネの、くぼ地のヒナゲシ畑、シヴェルニー近郊 (Poppy Field in a Hollow near Givern)。赤い色と構図が好きです。

 

土曜日の夕方に行ったのですが、ここ最近の企画展に比べたら空いていた方で、久々にゆっくり観ることができました。

 

 

日本の美術 no.260 英一蝶

日本の美術 no.260 英一蝶

 

 

梅雨が明けた頃に。

■ 水声 / 川上弘美

 

戦争のこと、サリンのこと、震災のこと。一本太い現実と。

愛と死と、そういう個人的なことと、

良い塩梅で絡めて、マクロ過ぎず、ミクロ過ぎず、すっと違和感なく、入ってくる。

 

好きってなんだろうって。生きるってなんだろうって。

社会で起きること。社会で生きること。

 

水声 (文春文庫)

水声 (文春文庫)

 

 

ナビ派。

■ オルセーのナビ派展 三菱一号館美術館 / ¥1,700

 

ナビ派って知らなかったのですけれど、とても面白かった。

比較的お金に余裕のある若者たちが、学生時代に仲良しグループでいろいろなことを実験して、なんかグループにして名前つけたいね…そうだナビってよぼうぜ!って青春を謳歌し。

その後、大人になり、それぞれ自分のスタイルを確立していくのだけれど、

あいつ今こういう感じで頑張ってるのかあ~みたいな感じで

それぞれ尊敬し合いながら、時々会えば昔に戻って思い出話に話を咲かせる。

みたいな関係性。とてもうらやましい。楽しそうだなあ。

思想や芸術方法に共感して結びついた実験団体ではないので、時を経て自分の表現したいことが変わっても、特に仲たがいすることもない。いいなあ、楽しそうだなあ。

 

作品自体もとても好みでした。印象派よりも色使いが濃くて、イラストのようだった。

日本の浮世絵に影響されたと思われるキャンバスの大きさや、美人画のような女性の絵。

 

 

かぼちゃ

草間彌生展 国立新美術館 / ¥1,600

 

ロンドンのテートモダンで観た映像作品がもう一度見たくて、でも日本ではなかなかそういう機会がなくて。

だから、今回この展覧会で観ることができてよかった。

 

 

無限の網―草間彌生自伝 (新潮文庫)

無限の網―草間彌生自伝 (新潮文庫)