能面。

■ 奈良美智 for better or worse 豊田市美術館 / ¥1,500 世界に散らばっている、自分が思うところの代表作をここに集めてみることにした。そこに最新作を加えて展示を構成する。 名古屋まで足を延ばすのは少し億劫だったのですが、抄録のこの箇所を読んで、…

お天気雨。

■ サンシャワー 東南アジアの現代美術展 1980年代から現在まで 森美術館・国立新美術館 二館同時開催 ¥1,800 一部を除いて写真撮影可能。体験型アートもあり、芸術祭のようでした。 東南アジアに焦点を当てて、文化的政治的な側面から芸術を紹介する非常に…

海中では。

中村征夫 写真展「永遠の海」松屋銀座 / ¥800 今年の8月は、いつもより涼しい。 空も好きだけれど、それ以上に海の中も好きです。 海の中にいる生物は、海の中だけが彼らの世界で。 地上には、こんな世界が広がっているなんて気にしたことないんだろうなあ…

パンダと、

■ ボストン美術館の至宝展-東西の名品、珠玉のコレクション 東京都美術館 / ¥1,600 少し時間があったので、ふらっと東京都美術館へ行ってきました。 上野動物園でパンダが生まれたので 最近、上野中がパンダで盛り上がっていて楽しい。 今回の目玉作品であ…

梅雨が明けた頃に。

■ 水声 / 川上弘美 戦争のこと、サリンのこと、震災のこと。一本太い現実と。 愛と死と、そういう個人的なことと、 良い塩梅で絡めて、マクロ過ぎず、ミクロ過ぎず、すっと違和感なく、入ってくる。 好きってなんだろうって。生きるってなんだろうって。 社…

ナビ派。

■ オルセーのナビ派展 三菱一号館美術館 / ¥1,700 ナビ派って知らなかったのですけれど、とても面白かった。 比較的お金に余裕のある若者たちが、学生時代に仲良しグループでいろいろなことを実験して、なんかグループにして名前つけたいね…そうだナビってよ…

かぼちゃ

■ 草間彌生展 国立新美術館 / ¥1,600 ロンドンのテートモダンで観た映像作品がもう一度見たくて、でも日本ではなかなかそういう機会がなくて。 だから、今回この展覧会で観ることができてよかった。 無限の網―草間彌生自伝 (新潮文庫) 作者: 草間彌生 出版社…

春。

■ アルチンボルド展 / 国立西洋美術館 ¥1,600 16世紀ハプスブルク家お抱えのアートディレクターさん。 だまし絵~みたいな特集でよく観る絵だったので知っていたけれど、 こんなに古い絵だとは知らなかった。 動物、植物や魚介類などの描写も細かく、だから…

じっぐらとう。

■ ブリューゲル バベル塔展 / 東京都美術館 ¥1,600 ブリューゲル バベルの塔展へ行きました。最終日に駆け込み。 ブリューゲルももちろんですが、同時に何枚か展示されていたヒエロニムスボスの絵が大好きなのです。今回はこれがお目当て。 どれくらい大好き…

灼ける青と、フィルター越しに見えるは、徒然。

■ 蜷川実花 うつくしい日々 / 原美術館 ¥1,100 原美術館で10日間限定でやっていたので行ってきました。父・蜷川幸雄の死に向き合った際に撮影した作品の企画展。出不精なので、短期間の展覧会は、いつもだったら行きたくてもいつのまにか終わってしまうパタ…

変わらないために、変えるあれこれ。

ここ一か月で、恐怖分子やらコナンやら、観る映画のアップダウンが激しい。 ■ 名探偵コナン から紅の恋歌 (2017 日本) / TOHOシネマズ コナンの映画を劇場で観たのは、何年ぶりだろうか・・・ 理由はいくつかあるのですが 一つ目。 もしや大人が観てもいいんじ…

スポイトで落とす音で滲む表面が、

何度か足を運んでいるのに、いつも迷子になってしまう。 ■ 坂本龍一 設置音楽展 / ワタリウム美術館 ¥ 1,000 根津美術館に行った後、国立新美術館に行こうとしていたのですが、どうやらとても混雑しているという情報を聞きつけて、急きょワタリウム美術館に…

いずれあやめかかきつばた

さてと、GWにいくつか企画展に行ってきたので、感想をつらつらかきます。 ■ 燕子花図と夏秋渓流図 / 根津美術館 ¥1,300 つばめ?こ?ばな????と恥ずかしながら、なんと読むのかわからなかったのですが カキツバタと読むらしい。カキツバタは杜若ではない…

ピアスの穴を親指で触る。

生きやすくなったのは、生きやすい環境へ、ただ逃げただけで、たぶんなにも解決なんかしていない。 永い言い訳を読みました。映画を観た後、そのまま本屋さんへ向かい購入。 語り手が章によって異なるので、物語に入っていくのに時間がかかりましたが、ラス…

射す光は、婉曲に曲がって。

新海監督の作品は、言の葉の庭が好きです。 撮りたい画を撮る為に、役者やスタッフを振り回す、そんなことをしなくても、アニメでは欲しい画を描くことができてしまうんだ。そうしたら、アニメはもっともっと邦画に浸食しちゃうかもしれない。って、言の葉の…

思想の強さとは反比例して、

■ MIYAKE ISSEY展: 三宅一生の仕事 / ¥1,300 / 国立新美術館 GWに行った展覧会ふたつめ。もう随分と前のことだけれど。 ルノワール展とあわせて行ってきました。 国立新美術館ってこういう演出もできるんだ!!!!って勉強になりました。空間演出が凝って…

流れに身を任せたまま。

27歳の私は、15歳の頃の私より少しもかしこくない。私ばっかりずっと同じ場所にいる。 背景がとても綺麗でした。緑紅葉が美しい。 新宿駅、速単、チョコレート、ビール、マリメッコのカップ。 そして、粉々になったファンデーション。 ユキノさんは強い、だ…

遠目からのぞく。

GW中に行った展覧会の感想めも。ひとつめ。 ■ ルノワール展 オルセー美術館・オランジェリー美術館所蔵 / 国立新美術館 ¥1,600日本人って本当に印象派すきだね!わたしもだいすきです。初来日ムーラン・ド・ギャレットの舞踏会を観たくて、わざわざ混雑極ま…

偶像と実像。

歌舞伎役者や吉原の遊女っていまでいうアイドルだったのかも。 ボストン美術館所蔵、俺たちの国芳、わたしの国貞展に行ってきました。 わたしの国貞って、わたしのってなんて独占欲の強い・・・。俺たちは、俺たちなのに。 国貞は、三代目豊国のほうが知られ…

無機質な君と体温の共有。

彼女たちを好きになって何年経ったっけ。 ツイッターでちまちま書いていた感想文をまとめてみました。 「Navigate」 初めて聴いた時、何故かスタンリー・キューブリック監督の映画、2001年宇宙の旅を思い出しました。なんでだろう・・・。 「Cosmic Explorer」 …

眼球の体積を測る。

風間くんの回のA-studioを観る機会があり、この人ペダル・ダンス出てたっけ・・・!?と、そこから何故か気になって、ボクらの時代を観て、この人面白いなあと、思っていたタイミングで、主演映画がはじまったので(というより、主演映画の宣伝でボクらの時代…

ハッピーエンドのエンドは本当にエンドのことでした。

休日の爽やかな朝にふさわしい、何か楽しい映画が観たいと思い映画館へ。 遠目から見た広告とタイトル、そしてイスラエル映画楽しそう。ということで、内容確認せず鑑賞。(イスラエルはいつか絶対に行きたい場所10位内に入る場所なのです。個人的に。) 結論…

閉めて、塞ぎ、愛でる。囲う。

小川洋子さんのことりを読みました。 こんなにも息苦しくなって、読むのが辛くなった小説は初めてです。 重かった、とても重く、それでいてひんやりと冷たい。 冬の朝、裸足で木造の廊下を歩いている感覚。 ことり (朝日文庫) 作者: 小川洋子 出版社/メーカ…

結のない、終わり。

冒頭でぐっと心を掴まれたのは久しぶりです。 この作品をミステリーだったという感想を持つ人もいると思うけれど、私はそういう風に感じなかった。まず、この作品は何も解決していない。何も。そして、全ての話に絶対的な結がなく、また事実に対する背景描写…

声と音と、記号と意味と。

表現をするっておもしろい。 自分も、インプットするだけの落書き帳みたいな大人じゃなくて、アウトプットもできる、誰かの記憶の中を土足でお邪魔して縦横無尽に駆け回り、そして春風のようにあっというまに去っていく、でも、少しだけ残香を残す、そんな大…

無題だった模様。

自分の中で第一次邦画ブームが起きた時、何を見たら良いか調べて行く中で、どの記事でもおすすめされていた、ゆれる、という作品。 DVDのパッケージジャケットの淡い緑の中にぼんやりとのらりくらりと今にも壊れそうな雰囲気で立っているオダイギリジョー。…

リップスティックは赤。

フランソワ・オゾン監督ってホラー監督だよね。違う? セクシュアル恋愛うんぬんではなく、もっと深いところの人間の欲望だったり、共依存的感覚や、繊細で弱い感情の揺れ、ここら辺をアンバランスに描くから、印象にがつんと残る。そんなにこの監督さんの作…

サランラップと食パン

小説を読んでから観ようって決めてたんだ。 ので、ようやく鑑賞。この前読んだので。 映画化にOKを出したポイントは何処だったんだろう、なんて中身とは関係ないところが気になって。観てもよくわからなかったけれど。 恋人役の女優さんが綺麗。ソニア・キン…

すこしだけ青。

最近女優さんのエッセイばかり読むなあ。 中谷美紀さんは、とても大好きな女優のお一人。なにかの番組で、お着物を召していたんだけれど、それがとても似合っていたことが印象に残っていて。 かっこい女性だなあ、って。 そして、インドの紀行本を出している…

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