無題だった模様。

自分の中で第一次邦画ブームが起きた時、何を見たら良いか調べて行く中で、どの記事でもおすすめされていた、ゆれる、という作品。

 

DVDのパッケージジャケットの淡い緑の中にぼんやりとのらりくらりと今にも壊れそうな雰囲気で立っているオダイギリジョー。あの画面が絵として完璧で、きっとこの映画を観てしまったら、私の中でもう邦画には満足しちゃうんだろうなあ、なんて曖昧で、でも強い確信があって、観るのを保留していた作品。

そんなこんなで初めての西川作品は、西川監督だと知らずに観たディア・ドクターでした。鑑賞後、直ぐに監督を調べて、ゆれるを撮った監督さんだと知って、我慢できずに観てしまったのがもう数年前のこと。

どちらの作品も、人間として生きることと、大衆の中で社会人として生きること、の二つ交差が不安定だけど絶妙に絡み合って、ラストに向けてテンポが良くなる感じ、とても好きな作品です。

脚本もご自分で書かれていて、今年、永い言い訳が直木賞候補に挙がっていことを知り、小説家・西川美和のことも気になっていたのです。

今回読んだのは、小説ではなくて、おそらく何か媒体の連載エッセイをまとめたもの。彼女はどんな文章を書くのか、人間臭い、けれど、客観性のある、あの絶妙な感覚の映画を撮る監督さんの頭の中はどうなっているのか、気になったのが、この本を手に取った理由です。

読了後の結論は、この人本人が、とてもバランス感覚の良い方で、且つ、きちんと丁寧にアウトプットできる方なんだなあ、という印象を受けました。才能。

夢見るふたり、のことも取り上げられていて、気になって鑑賞。フィルムなのか、デジタルなのか、気にして観てみましたが、私には残念ながらというか当然ながら、ちっともわかりませんでした。

 

永い言い訳、映画が楽しみです。

 

 

 

 

夢売るふたり [DVD]

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