【映画】愛がなんだ

■ 愛がなんだ (2018 日本) ヒューマントラストシネマ有楽町

 

令和はじめての映画館!

 

今泉監督の作品は、最低がほんとうに最低で、生々しさが痛くってそれ以降の作品は観ることができていなんですけれど。(最低って、別に作品が最低ってことじゃなくて、こいつらほんとうに最低だな!の最低です。)

 

なんだか鬱々した映画を観たいなあ、という時期があって、よし今泉監督だし!と思って観てきました。

 

結果、ちっとも鬱々しなかったし、なんだハッピーエンドじゃないか!って。

そう思えたのは、たぶんテルちゃんの性格のせいのだけれど。

 

主人公のテルちゃんはほんとうにまっすぐで、ぶれない。

それでいて、前向きに重い。重いんだけれど、とてつもなくポジティブ。

 

なんで自分のこと好きになってくれないの。こんなに尽くしてるのに!!!(醜い顔をさらしながら叫ぶ)みたいな重たい女じゃない。いや、一歩間違えればストーカーで、しっかりと重いんだけれど。

なんで好きになってくれないんだろう~~~~?わたしはこんなに好きなのになあ。みたいに、重いんだけれど、どこかふわっと表面が柔らかいのです。葉子も言っていたけれど、死にたい系女子じゃない。むしろ、幸せそうなの。マモちゃんを好きでいでいることを、すごく楽しんでいる。

 

テルちゃんだけでなく、他の人たちのキャラクターもどこか憎めない。

ステレオタイプを張り付けただけでなくて、とても人間臭いキャラクターになっているのです。だからなのか、まるでほんとうの友達のことのように、嫌悪したり共感したり、はたまた心配したり、してしまう。

 

そして、わたしは、テルちゃんのときもあるし、マモちゃんのときも、ナカハラのときも葉子のときもある。このシーンでは、わたしはこの人だ。みたいな。そういう居た堪れなさと、共感と、そういうものを感じながら、わたしもつい口をはさみたくなってうずうずしながら鑑賞。

そして、映画が終ると、あのシーンのね!!!!と語りたくなってしまう。

 

この映画の不思議なところなのです。

 

テルちゃん役の岸井のりこさんの表情やしぐさが堪らなくて。

特に、表情。美人になったり、ほんとうにブスにみえたり、可愛くなったり。。。

底みえなくて、こわ…って思った女優さんは、安藤サクラ以来だなあ、って思って調べてみたら、事務所がユマニテさんだったので。

ユマニテのスタッフさんと女の子の趣味、一緒なのかもしれない。

 

 

愛がなんだ (角川文庫)

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