没後50年 藤田嗣治展/ 東京都美術館
■ 没後50年 藤田嗣治展 東京都美術館 / ¥1,600 (¥1,400)
独特なタッチで裸婦を描く、生粋の日本人なのに、パリの画家。そんなレベルの知識で行ってきました、藤田嗣治展。
藤田嗣治(1886-1968)
お父さんはお医者さん(陸軍軍医総監!)。お兄ちゃんがいる。
芸大出身。卒業後、渡仏。モンパルナスに居を構え、ピカソなどと知り合う。
日本で結婚1回。渡仏後も、結婚離縁を繰り返していて、もし今の時代に彼が生きていたら、きっとゴシップ誌の常連さんだったに違いない…。
でも、人を惹きつけてしまう作品を作ってしまう人は、やっぱり私生活でも人を惹きつけてしまうところがあるなあ、と思います。
肖像のタッチは独特なのだけれど、それ以外の静物や動物などは、とてつもなくリアリズムだったりして、そのギャップがとても面白かった。
特に、テキスタイルの柄の描写がとても細かくて好みだった。歌川国貞が描く着物の柄がとても好きなのですけれど、そういう感覚。
今回の展覧会は、彼の作品を純粋に年代順に紹介していくものだったのだけれど、時代に翻弄された芸術家だなあ、という印象です。
戦争って、国ってなんなんだろうなあ、とかもうわけわからないところに思考が飛んでいってしまった。
現代芸術は、やっぱり思想なのかなあ、時に政治に組み込まれてしまうことが意図せずにあるけれど、それは社会主義だけの話ではないのだなあ、とちょっと驚きでした。戦争画ですが、今回の展覧会では、作戦記録画と表現しています。
この世代の芸術家は、手法がバラエティに富んでいて、色々な選択が出来て面白いなあと思う。油絵からイラストまで。写真から映像まで。
彼の映像監督作品があったのだけれど、作品名を失念してしまった…。
カット割り?が絵画のように美しくて、一時停止してずっとみていたかった。
そして、彼は洗礼を受けて、晩年は、宗教画というところに行きつくわけだけれど。彼はなんで洗礼を受けたのだろう。どういう感情だったのだろう。
彼は、日本のことをどう思っていたのだろうか。
彼は、いったいどういう人間だったのだろう。今回の展覧会で、彼のパーソナルなことが気になってしまった。(あの独特な風貌も相まって)少し、調べたり勉強してみようなかあ、と思います。