結のない、終わり。

冒頭でぐっと心を掴まれたのは久しぶりです。

 

この作品をミステリーだったという感想を持つ人もいると思うけれど、私はそういう風に感じなかった。まず、この作品は何も解決していない。何も。そして、全ての話に絶対的な結がなく、また事実に対する背景描写もない。

灰田の父の話、灰田の話、シロの話、アカの話。ただそこにある現象を、現実として説明しているだけ。現実かどうかもわからないけれど。共通性がなく、つくるが雑踏の中無理やり共通性を作っていていて、ある意味リアリズムだなあって。

つくるを通して、過去に対して、現実に対して、どういう風に対処していくべきかを、説明してくれて、そして、生き残った者は生きなくちゃいけない、という強いメッセージがあったように思いました。ある種、自己啓発のような本だなあ、という印象。 とても面白かったです。

 

やっぱり好きだ。